暖かな日々が訪れると、リヨンの胃袋はグラスを片手に腰を下ろし、潮の香りの海の幸の盛り合わせとリヨン美食の名店のあいだで味わうのがいちばんです。
最初の陽の光とともに、Les Halles de Lyon Paul Bocuseはその律動を変えます。2006年の改修以来、通路を光で満たしてきた大きなガラス屋根の下、市場の活気は次第にアペリティフの穏やかさへと道を譲ります。ここでは、楽しみが急かされることは決してありません。牡蠣職人のカウンターに立って、あるいはグラス一杯のあいだ腰を下ろして、まさに「リヨンの胃袋」と呼ばれるにふさわしい場所の中心で、ゆっくりと味わうのです。
夏は海の盛りの季節です。市場の牡蠣バーで、気分のおもむくままに自分の盛り合わせを組み立てます。開けたての牡蠣と貝、静物画のように氷の上に並べられた甲殻類。それらは、よく冷えた白ワインのグラスや、クレマン(Crémant)の泡とともに供されます。屋内市場の魂そのものである、あの温かく和やかな雰囲気のなかで。
しかしLes Hallesのアペリティフは、美味をめぐる旅でもあります。シャルキュトリー職人のロゼット(rosette)やジェジュ(jésus)をつまみ、チーズ商の特別な一片を奮発し、通りすがりに甘いひと口に身を委ねます。それぞれの店が、Paul Bocuse(ポール・ボキューズ)自身が称えにやって来た生業を受け継いでいます。コーヒー片手にこれらの通路をそぞろ歩くのを好み、世界でもっとも美しい市場のひとつの名声を築いた職人たちの友であった、あの彼が。
パール・デュー(Part-Dieu)からほど近いこの宙づりのひとときは、リヨンの精神のすべてを捉えています。良き食材への嗜好、分かち合いの心、そして時をかける術。この夏、Les Hallesでアペリティフを楽しんでみませんか。美食が祝祭として生きられる、この場所で。
